論文ID: 2025-18
【目的】歯科・口腔がん検診後に、口腔がん関連にて基幹病院へ紹介した患者の詳細について、今後の検診のあり方、方向性を探るため、検討を加えた。
本稿は第2報であり、前報の舌がんの2例の診療経過についても詳述した。
【対象】2017年7月~2023年6月までの6年間に当センターの歯科・口腔がん検診を受診し、口腔がん関連につき基幹病院へ紹介した患者を対象とした。
【方法】総受診者数、紹介患者数、性別、年齢、紹介先、病名、処置、病理診断、喫煙の有無につき検討を加えた。
【結果】総受診者数は1,252名、紹介患者数は26名で、男性20名、女性6名で男女比は1:0.3であり、紹介率は2.1%であった。年齢別では60歳代が7名と最も多く、次いで40歳代、50歳代の6名、70歳代の5名の順であった。紹介先は、公立病院歯科口腔外科が23名、大学病院歯科口腔外科が2名、大学病院耳鼻咽喉科・頭頚部外科が1名であった。病名は、舌がんが2名、歯肉白板症が12名、舌白板症が6名、頬粘膜白板症が5名、口蓋隆起部白板症が1名であった。処置では、舌がんの全摘出術が1名、舌がんの化学療法が1名、経過観察が14名、生検が2名、生検予定が6名、咬頭研磨が2名であった。病理診断については。舌がんが2名、軽度異型ありが1名、上皮角化層の過形成が1名、なしが22名であった。喫煙については、有りが13名、なしが3名、不明が10名であった。
【考察】基幹病院へ紹介した患者は舌がん及び口腔潜在的悪性疾患の白板症であり、本検診の有用性が示された。今後も歯科口腔がん検診を行ない、口腔がんの啓発に努めていきたい。
【結語】基幹病院への紹介患者の概要を報告した。