抄録
中国 5 県 6 施設の総合病院総合診療科及び 1 施設の開業医における初診患者 1152 例に対して,うつ状態のスクリーニングを行った。
自己評価式抑うっ性尺度(SDS))では 19. 9 %,2 項目質問法(TDSS)による医師評価では 12.4 %に中等症以上のうつ状態が認められ,先行研究の結果とも合わせ,プライマリ・ケアにおいては少なくとも約 1 割の初診患者に何らかの対応を要する中等症以上のうつ状態が存在するものと推定された。
またTDSS医師評価は,TDSS患者評価およびSDSスコアと高い相関を示し,スクリーニング法としてのTDSSの妥当性が明らかになった。
本研究の結果から,自殺予防への取り組みか急務となっているプライマリ・ケア領域においては,まず 2 項目質問法の普及・啓発によるうつ状態のスクリーニングが重要であると思量された。