2013 年 14 巻 2 号 p. 63-67
中心静脈カテーテル留置の安全管理を目的として京都市立病院で2009年度に導入した手技実施申告制(事後報告)について、3年間の申告数の推移、各項目の報告内容の経年的変化などをもとに、その効用についての評価を行った。その結果、申告数すなわち実施延べ回数は3年間で有意に減少し、カテーテルのルーメン数の減少・ランドマーク法による穿刺の減少が見られた一方で、マニュアルで禁じている4回以上の穿刺がゼロではなく、同意書の取得率・マキシマムバリアプリコーションの実施率が100%ではないなどの実情も明らかになった。今後手技実施申告制を継続しつつ、マニュアルの周知徹底、手技に関する勉強会やアクシデント発生時の事例検討など、啓発のための取組みが必要であると考えられる。