2014 年 15 巻 1 号 p. 15-18
糖尿病地域連携クリティカルパス(連携パス)のアウトカムは糖尿病治療中断防止、良好な血糖管理および合併症の発症・進展防止である。2010年5月から2012年12月の期間に運用を開始した連携パスのアウトカムを評価した。連携パス患者総数は70例で男性36例、女性34例であり、平均年齢66.5±0.9歳(平均±SE)、病歴8.4±1.2年、HbA1c(国際標準値)9.3±0.2%であった。アウトカム評価では治療自己中断患者は5例であったが、全員治療を再開した。1年経過した患者56例のHbA1cは各々開始前9.4±0.3%、6ヶ月後6.8±0.1%、1年後7.0±0.1%(P<0.01)であり統計学的に有意な血糖管理改善を認めた。合併症発症・進展のみられた患者は5例であり、いずれも適切な対応により回復した。糖尿病地域医療向上を担う一手段として連携パスは期待される。