日本医療マネジメント学会雑誌
Online ISSN : 1884-6807
Print ISSN : 1881-2503
ISSN-L : 1881-2503
事例報告
医療従事者への麻疹、風疹、水痘および流行性耳下腺炎ワクチン接種の管理
大石 貴幸
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 15 巻 1 号 p. 39-43

詳細
抄録

 大崎市民病院では2009年9月日本環境感染学会が発表した「院内感染対策としてのワクチンガイドライン第1版」をもとに、職員を対象とした麻疹、風疹、水痘および流行性耳下腺炎の定期的なワクチン接種を実施している。1,000人を超す職員へ的確なワクチン接種を実施するため、マイクロソフト社 Accessを用いて新たにシステムを構築し、作業の効率化を図った。また、抗体検査とワクチン接種にかかる費用を病院負担とし、接種率向上も目指した。結果、2009年7月〜2012年8月の期間で、すべての疾病に対するワクチン接種率は70%を超えた。今後の課題としては、ワクチン接種後の抗体検査の実施や被検者への抗体価測定値のフィードバック、委託職員へのワクチン接種の更なる勧奨などがある。職員がこれら疾病の抗体を保有することは、業務上の人的損害を防止するだけではなく、患者や第三者への二次感染防止の観点からも重要と思われ、今後も円滑なワクチン接種を推進していく必要がある。

著者関連情報
© 2014 特定非営利活動法人 日本医療マネジメント学会
前の記事 次の記事
feedback
Top