大腸がん(ICD10:C18〜C20)は、本邦において死因の上位を占め、また罹患率および死亡率が増加傾向にある。本研究は、将来的に増加することが懸念される大腸がんの社会的負担をCost of Illness(COI)法によって評価することを目的とした。方法は、官庁統計データを用いて、1996・2002・2008年のCOI推計を行うとともに、2014・2020年の将来推計を行った。分析の結果、COIは、1996年の8,716億円から、2008年の1兆1,603億円と増加傾向にあった。将来推計では、最も信頼できる混合型モデルでは減少することが予想された(2014年1兆575億円、2020年9,411億円)。COIに影響を及ぼす要因は、高齢化、医療供給体制の変化、医療技術の発展向上が考えられ、とくに高齢化に伴う人的資本価値の低下の影響が大きいことが示唆された。本研究の結果は、今後のがん対策等の政策決定に応用できると考えられる。