2017 年 18 巻 3 号 p. 122-126
本研究は、助産師の医療安全意識に影響を与える因子を明らかにすることを目的に実施された。 研究協力の承諾が得られた関東圏68病院1005名の常勤助産師を対象に、2013年7月29日から11月30日に量的横断研究を実施した。調査項目は基本属性、意識の測定尺度として助産師の自律性測定尺度、日本版バーンアウト尺度、および自作の医療安全意識項目である。分析は基本統計量算出、各尺度の下位尺度間の相関関係の検討、医療安全意識を目的変数、属性、助産師自律性測定尺度の下位尺度、日本版バーンアウト尺度の下位尺度を説明変数とした重回帰分析を行い、医療安全意識に関連する因子を検討した。質問紙回収率は74.8%、有効回答率59.5%であった。重回帰分析の結果、助産師の医療安全意識には、「医療安全研修への参加」、「助産研修への参加」、「助産師経験年数」、「臨床実践能力」、「自立的判断能力」、「情緒的消耗感」、「個人的達成感の後退」が有意な影響を与えていた。助産師の医療安全意識を高めるためには、キャリア支援やストレス軽減のための職場環境やサポート体制の検討が必要であると示唆された