医療マネジメント学会雑誌
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軽症脳梗塞に対するクリティカルパスの臨床効果
柴田 靖松下 明小林 栄喜
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2004 年 5 巻 3 号 p. 431-435

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抄録
クリティカルパスの目的は在院日数短縮, 医療費削減, 医療標準化による臨床効果などである. 脳梗塞は症例毎の重症度, 経過の個人差が大きく, 脳梗塞に対するクリティカルパスの有効性は確立していない. 我々は急性期軽症脳梗塞に対するクリティカルパスを作成, 導入し, クリティカルパスの臨床効果を検討した. 導入前症例をhistorical controlとした, nonrandomized controlled studyである. 対象は本院に入退院した急性期軽症脳梗塞症例である. クリティカルパス導入前に入院した37例をコントロール群とした. クリティカルパス導入後に入院した35例にクリティカルパスを使用し, クリティカルパス完全使用例34例 (完遂率97.1%) をクリティカルパス群とした. クリティカルパスは注射箋, 指示箋一体型で, オザグレルナトリウムとエダラボンの2週間投与を基本とした. クリティカルパス群とコントロール群の背景, 症状, 責任病変, 神経所見, ADL, 合併症, 併発症に差はない. 両群ともNIHSSは有意に改善し差は見られなかった. 脳神経合併症はコントロール群で3例見られたが, クリティカルパス群では見られず, クリティカルパスが合併症を予防した可能性が示唆された. 文献的にも脳梗塞に対するクリティカルパスの臨床的有用性は報告されてない. クリティカルパスは経過が予測されやすいものに対して最も有効であり, 症例毎の重症度, 経過差が大きい脳梗塞ではクリティカルパスの臨床的有用性は少ない. クリティカルパスの合併症予防効果に関しては更に症例蓄積, 検討を要す.
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