抄録
院内感染対策には2つのポイントがある. 1つはアウトブレイクの阻止であり, スタンダードプリコーションの徹底が重要となる.もう1つは, 耐性菌そのものを作らない環境作りであり, 抗菌薬の適正使用が必要不可欠となる.当院感染対策委員会では, 院内の抗菌薬使用状況を監視することから活動を始め, 抗菌薬使用許可制の導入や, バンコマイシン使用にあたっては必ず血中濃度を測定することを求めるなどの対策を行ってきた. その成果として, 過去3年間における薬剤感受性率の変化を比較したところ, 若干の改善がみられたので報告する.