医療マネジメント学会雑誌
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5 巻, 4 号
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  • 坂本 すが
    2005 年5 巻4 号 p. 478-483
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
  • 野村 一俊
    2005 年5 巻4 号 p. 484-486
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    クリティカルパスは, 目標達成型医療を行うためのツールである.従って, クリティカルパスには, 退院時の達成目標である退院基準, 在院日数が設定されていなければならない.また, 使用されたクリティカルパスは, 目標達成度が検討され, 見直しが行われなければならない.これらにより, クリティカルパスは, アウトカムマネジメントのツールとして機能する. 退院時バリアンスの分析は, クリティカルパス見直しに最も実効性の高い有用な方法である. 退院時バリアンス分析の実際を紹介する.
  • 長嶋 美里, 宇治原 誠, 福川 則子, 田名部 トメ, 高木 佐知子, 高橋 俊毅
    2005 年5 巻4 号 p. 487-492
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    糖尿病患者の教育, 治療, 検査のために, 週末3泊4日教育入院のクリティカルパスを作成し, 使用した.短期間の入院期間であるため, 血糖コントロールが良好とならないうちに退院することが多い. このクリティカルパスの教育, 治療効果を検証するため, 退院後のグリコヘモグロビン (HbAlc) を, 従来から実行している2週間教育入院クリティカルパスと比較検討する症例対照研究を行った. 対象は週末3泊4日入院をした10名と, 同時期に2週間教育入院をした10名の2型糖尿病患者とした. 両群ともにHbAlcは退院1か月後から有意に低下し, 13か月後のHbAlcは週末3泊4日入院患者では6.8±0.6%, 2週間入院患者では6.9±1.0%であった. 両群間のHbAlcの推移は13か月間の観察期間中, 統計学的な有意差はなかった. 退院後HbAlcは入院時に比べ有意に低下し, 2週間教育入院クリティカルパスと同程度のHbAlcの低下を認めたことから, 週末3泊4日入院クリティカルパスの教育, 治療効果は有効と考えられた.
  • コンピュータ上で自動展開する疼痛緩和法
    堀 夏樹
    2005 年5 巻4 号 p. 493-496
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    緩和ケア病棟入院中の非治癒期担がん患者に対して, 早期の疼痛緩和によるQOL向上をめざして, WHO疼痛緩和ラダーに則った疼痛緩和クリティカルパスを開発した.本クリティカルパスは, マイクロソフトエクセルを用いて作成し, 日々, 疼痛, 副作用 (悪心・嘔吐, 便秘, 傾眠, 混乱など) の評価を行い, その結果とゴール (1: 良好な睡眠確保, 2: 安静時の疼痛緩和) を照合し, 翌日の薬剤投与量を自動的に決定する.主薬剤はオキシコドン徐放製剤で, 低用量 (10mg/日) から開始することにより, 強オピオイドであるにもかかわらず, 弱オピオイドと同等に扱える利点を利用し, WHOラダーの第2段階から第3段階へ薬剤を変更せず移行できる.本クリティカルパスを10例に適用し, すべて7日以内に第2目標まで達成でき, 一定の満足も得られ, ひろく一般病棟でも使用できると考えられた.
  • 柴田 靖, 松下 明, 小林 栄喜
    2005 年5 巻4 号 p. 497-500
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    クリティカルパスの目的は在院日数短縮,医療費削減, 医療標準化による臨床効果などである.脳梗塞は症例毎の重症度, 経過の個人差が大きく, 脳梗塞に対するクリティカルパスの有効性は確立していない.我々は急性期軽症脳梗塞に対するクリティカルパスを作成, 導入し, 本院入院加療した軽症脳梗塞症例に対するクリティカルパスの経済効果を検討した.導入前症例を historical control とした, case-controlled study である.対象は本院に入退院した急性期軽症脳梗塞症例で, クリティカルパス導入前に入院した37例をコントロール群とした.クリティカルパス導入後に入院した軽症脳梗塞35例にクリティカルパスを使用し, うち脱落1例 (2.9%) あり, クリティカルパス完全使用例は34例 (クリティカルパス完遂率97.1%) であり, これをクリティカルパス群とした.クリティカルパスは注射箋, 指示箋一体型で, オザグレルナトリウムとエダラボンの2週間投与を基本としたが, 患者の状態により注射内容や退院時期は主治医の判断に委ねた.クリティカルパス群とコントロール群の背景, 症状, 責任病変, 神経所見, ADL, 合併症, 併発症に差はない.在院日数はコントロールで19.9日, クリティカルパス群で15.1日とクリティカルパス群で有意に短縮した.在院日数の分散もクリティカルパス群で有意に減少した.保険請求点数ではクリティカルパス群でリハビリ, 入院費が減少し, 注射が増加し, 総点数では差が無かった.クリティカルパスの導入は有用な経済効果を示し, クリティカルパスの改善により更なる効果が期待できる.
  • 藤田 茂, 渡邊 聖, 鈴木 荘太郎
    2005 年5 巻4 号 p. 501-505
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    医師のインシデントレポート提出件数が少ないことや, 医療安全管理の活動になかなか協力を得られないのは, 多くの医療機関で共通の課題であろう.本研究では, この原因を探るため, 医療安全管理に対する医師の意識を調査し, その問題点を明らかにすることを目的として, 医学部付属病院の医師を対象にアンケート調査を実施した.その結果, 臨床経験年数の短い医師ほど, 安全管理対策委員会からの情報の伝達や, 研修会開催の案内が伝わっておらず, 各診療科内部の情報伝達の問題が明らかになった.情報伝達の不備は, 安全管理研修会への参加率が低い原因のひとつと考えられた.さらに, 臨床経験が4~9年の医師は, 研修会への参加率も低く, 合併症の報告にも消極的であり, 臨床経験年数による意識の相違が認あられた.
    医療安全管理に関する情報は, 医局会のみに限らず, 外来, 病棟, 電子メールなど, 複数のルートで伝達し, 周知徹底を図るべきである.特に, 人を介した情報伝達には限界があるため, 院内メールにより直接情報伝達することが望ましいであろう. また, 時間や曜日を変えて研修会を頻回に開催し, 参加の機会を増やすことで, 医療安全管理に対する医師の意識を高めることが可能であると思われる.
  • 真野 俊樹, 水野 智, 小林 慎, 井田 浩正, 山内 一信
    2005 年5 巻4 号 p. 506-510
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    医療サービスの重要な特性は医療サービスはニーズに基づいたサービスであることである. したがって, 医療の場合には, 消費行動に特徴がある. すなわち, 医療という財の消費がニーズに基づき, かっそのニーズの発生が予測できないために, 事前にその消費者が消費を予測できない. そのような特徴のために医療提供者はマーケティングを軽視していたと想像される. しかし, 米国ではすでに, 医療機関が広報・広告を含むマーケティングの部署をつくり, 数名の人員を配置することが常道になっている.
    今回, 日本での医療機関におけるマーケティングの実態を明らかにする上でアンケート調査を企画した.
    病院へのアンケートは, 調査対象は病院団体では最大である日本病院会の会員病院 (2,621施設) 事務長および院長とし, 調査方法は無記名式郵送質問紙調査, 送付は平成13年10月18日, 対象は2,621 (ただし各病院2通) 病院回収: 1,090通であった.回収率は21%であった.
    マーケティング専門部署をおきたいという意図がある病院が165病院あった. 投書箱については, 本調査では利用に関してはさほど積極的ではない. 患者のデータベース管理についても現状でも行っている病院は100病院にとどまった. マーケティング専門の部署をおきたいという変数を被説明変数, 病院の基本属性を説明変数として判別分析を行ったところ, 標準化された正準判別関数係数は, 許可病床, 一般病床でそれぞれ, 1.77,-2.13であった.
    したがって, 許可病床数が多いほどマーケティングへの関心が高いが, 一般病床数が多いほど関心が低いという結果が得られ, ニーズに基づいたサービスが中心の急性期病床である一般病床は, 慢性期の病床よりもマーケティングに対する関心が少ないことを示す結果が得られた.
  • 菊池 充
    2005 年5 巻4 号 p. 511-514
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    院内感染対策には2つのポイントがある. 1つはアウトブレイクの阻止であり, スタンダードプリコーションの徹底が重要となる.もう1つは, 耐性菌そのものを作らない環境作りであり, 抗菌薬の適正使用が必要不可欠となる.当院感染対策委員会では, 院内の抗菌薬使用状況を監視することから活動を始め, 抗菌薬使用許可制の導入や, バンコマイシン使用にあたっては必ず血中濃度を測定することを求めるなどの対策を行ってきた. その成果として, 過去3年間における薬剤感受性率の変化を比較したところ, 若干の改善がみられたので報告する.
  • 患者参加によるクリティカルパス作成とその効果
    山田 雅子, 羽場 利博
    2005 年5 巻4 号 p. 515-519
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    急性骨髄性白血病 (以下AML) のクリティカルパス導入を試みた. AMLは, 入院期間が長く治療経過に個人差があり, クリティカルパス導入は非常に困難な疾患である. 当血液内科では, AMLの医療者用クリティカルパスについて, 化学療法期間に限定し, 医療やケアの標準化と事故防止を目標に5種類のクリティカルパスを作成してきた.
    今回, われわれは, 患者が治療経過を理解しやすいことを目標に, 6名の患者の参加を得て患者用クリティカルパスの作成に取り組んだ. 患者に質問調査を実施し, その結果から, 1) 治療経過図「うさぎの山登り」, 2) 点滴を絵で描いた化学療法の患者用クリティカルパス, 3) 治療内容を示した小冊子を作成した.さらに, 骨髄像の標本供覧を実施したところ良い結果が得られた.
  • 早川 善郎, 貝塚 広史, 岡田 晋吾
    2005 年5 巻4 号 p. 520-524
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    がん化学療法は, 副作用対策の充実と患者のQOLの向上から, 外来で施行されることが多くなってきており, その数も増加している. 当科では, 外来化学療法の中で, 最も多く行われている乳がんの化学療法にクリティカルパスを導入した. 現在, 7種類の乳がん化学療法クリティカルパスを作成・施行している. 当初は, 薬剤誤投与防止や副作用の早期発見と対策, 業務の効率化を目的に作成した. 化学療法は, 効果はもちろんであるが, 特に副作用に対する対策が重要であり, 薬剤師・看護師と協力し, 治療スケジュールや副作用の説明にクリティカルパスを活用している. 当院では, 増加する外来化学療法に対し, 外来化学療法の専用室の開設と他科との院内クリティカルパスの統一化を予定している. 今後, セイフティマネジメントの目的だけでなく, クリティカルパスを通し, 患者の精神的なケアや患者の積極的な治療参加ができるような体制を築いていくことが必要と思われる.
  • 宮口 佳子, 中村 登美江, 角藤 厚美, 定松 修一, 曽我部 保文, 田口 浩之
    2005 年5 巻4 号 p. 525-529
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    急性期病院における回復期リハビリテーション病棟では, 急性期から回復期への移行の際の患者・家族との関わり, 関連部門のスタッフとの連携, 受け入れ後のリハビリテーションスタッフ間での連携などチームアプローチのあり方が最重要課題となる. 今回, 開設と同時に「回復期リハビリテーションクリティカルパス (案)」を作成し, 使用しながら改訂した.
    多職種が, それぞれの専門性を追及しながら, 患者自身の設定したゴールを目指すという共通の目的に向かうことでリハビリテーションチーム作りをしたいと考え, 病棟クリティカルパス検討会を発足した. 各職種の代表者が定期的にそれぞれの目指す回復期リハビリテーション病棟のあり方を模索しながらクリティカルパスの改訂をした. 約1年間詳細変更を重ね, 2003年7月, 9月, 10月, 2004年2月の4回の改訂をした. 改訂の過程で回復期リハビリテーション病棟の全スタッフを対象にアンケート調査を行い, 評価・改訂の資料とした. その結果, 回復期リハビリテーション病棟から在宅支援に至るまでの包括的リハビリテーション医療サービス提供のために共有すべき情報として重要なのは, 患者自身が立てた目標, リハビリテーションのゴール設定, リハビリテーション進行状況, 退院・転院の方向性であることが明らかになった. さらに, チームアプローチを具現化するためには, 各職種担当者の目標と評価, カンファレンスによるADL状況の確認, 退院時ゴールの妥当性評価, さらにはチームのあり方について常に検討することが重要である.
  • 吉田 茂, 橋本 裕美, 楢林 成之, 三舛 信一郎
    2005 年5 巻4 号 p. 530-535
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    新生児集中治療室 (NICU) の入院対象となる病的新生児を除く新生児管理においては, 出生後の環境変化への適応が重要であり, 観察, 介入, 処置などのプロセスは比較的一定している. またアウトカムも呼吸状態の安定, 哺乳の確立など明確であるためクリティカルパスの導入は比較的容易である.
    神鋼加古川病院小児科では小児科全体でクリティカルパスの導入を進める一環として従来の新生児管理業務をまとめ, 平成15年8月よりファイルメーカーProを用いた「新生児管理ファイル」として正常新生児を中心とする新生児クリティカルパス運用を開始した.
    本稿では実際の運用を中心に解説し若干の考察を加えて報告する.
  • 入江 和子, 伊藤 道徳, 岩井 朝幸, 安永 律子, 大成 まゆみ, 森周 八重子
    2005 年5 巻4 号 p. 536-540
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    当院では, インフルエンザ予防のために入院中の重症心身障害児 (者) (以下, 重心児と略す) に対して予防接種を実施してきたが, 2003/2004シーズンにおいてインフルエンザの病棟流行を認めた. そこで, 今後の重心児病棟でのインフルエンザ流行予防のために, 5個重心児病棟入院中の患者198名を対象に予防接種率, インフルエンザ罹患患者数患者発生時の対応, オセルタミビルの予防投与等について調査・検討を行った.
    各病棟での予防接種接種率は, 80~100%であった. 全病棟でのインフルエンザ罹患患者数は62名であったが, 1個病棟において40名中32名と病棟内流行を認めた. この病棟での最初の患者の発生が地域でのインフルエンザ流行前であったため, 一般の感染症としての対応がとられ, 患者の隔離が遅れたことが病棟内流行の原因と考えられた. この病棟での経験から他の病棟では, 発熱患者を速やかに隔離したことにより流行を阻止できた. 発症前にオセルタミビルの予防投与を行った患者66名では, 服薬中の発症はなく, このことも流行阻止に効果があったものと考えられた. これらの結果から, インフルエンザシーズンでは地域での流行が認められる前であっても常にインフルエンザの可能性を考え, 発熱患者の迅速な診断・早期隔離等の対策とオセルタミビルの予防投与を行うことが病棟内流行の阻止に重要であると考えられた.
  • 津村 宏, 清水 健太郎, 片寄 正樹, 高尾 良英, 大西 祥平
    2005 年5 巻4 号 p. 541-546
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    スポーツ医学分野での遠隔診断, リハビリテーションの指導, 症例検討会などでは, 動画像を共有資料する必要がある. しかしながら既存のインターネット用のテレビ会議システムは, パワーポイント, エクセルなどの資料を共有する機能を持っているが, 動画映像を共有する機能は無い. このためにわれわれは, 動画映像ファイルを各クライアントヘファイル転送し, 会議中は各クライアント間で動画像の再生制御コマンドを相互に転送することで, 各クライアントで同期して映像を見ることが出来る動画コラボレーションシステム「シンクロビジョンシステム」を開発した. 開発したシステムをインターネット上で実験運用した結果, 次の結果が得られた.(1) 峡帯域および広帯域でもコラボレーション時の動画像共有制御が可能である.(2) 多地点間で再生操作の競合制御を行わなくても問題は生じない.(3) 共有する動画ファイルを事前に転送する必要があり転送前に内容を吟味して必要最小限のファイルにする必要がある.
  • 吉田 晃治, 廣田 和仁, 浦山 八重子, 冷牟田 浩司
    2005 年5 巻4 号 p. 547-552
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    近年, 急性期医療では, 患者・家族にとって医療の質を落とさず, 在院日数は短く, 医療費は安く, 満足度の高い効率的な医療が求められている.その一環として検査, 処置, 治療は勿論, 手術でも日帰り治療が急速に普及し, 「入院中心」から「外来中心」の医療へと変革している.国立病院機構九州医療センターでも, 社会のニーズに沿って外来での化学療法から開始した.その概要, センターのスムーズな運用, 専任薬剤師関与の重要性, 患者への治療上のデメリット防止, 日帰り治療上のメリット・効果, 病院にとって経営上の利点などについて具体的に述べ, 今回のシステムが治療上, 患者・家族・職員にとっても種々の利点があることを述べた.
    さらに今後は, 外来化学療法のみでなく検査, 処置, 治療, その他の医療行為が外来で幅広く行われ, 外来中心とした医療行為が積極的に実施され, 厚生労働省の方針でもある在宅を中心とした医療制度の普及に少しでも貢献できればと考えている.
  • 蜂須賀 丈博, 市原 薫, 宮内 正之
    2005 年5 巻4 号 p. 553-556
    発行日: 2005/03/01
    公開日: 2011/03/14
    ジャーナル フリー
    昨今, 救急外来を受診する患者が激増し, しかも高い医療レベルと正確な診断処置が要求されるようになっているが, これは医師への急激な負担増を来たし, 安全管理の面でも大きな問題となっている. 当院では, 2003年4月, 新しい救急施設ER-Yokkaichiを開設するにあたり, 医師の勤務体制を一新し, 比較的順調に業務を行えているので報告する.
    以前の医師勤務体制: 1年目, 2年目研修医1名ずつ計2名, 内科系医師1名, 外科系医師1名が勤務していた. 全員翌日は通常勤務. まず, 研修医が診察し, 入院などを必要とすると判断した場合には, 内科か外科の当直医に相談した.
    2003年以降の体制: 1年目, 2年目研修医1名ずつ計2名, 3, 4年目医師1名を救急医とし各科より供出, 内科系当直医1名, 外科系当直医1名の計5人体制. 研修医2名と救急医は当直ではなく, 夜間勤務とし, 翌日の勤務を前倒し, 翌日は休みとした. 当直医2名は当直勤務であり, 翌日勤務. 患者は, 原則研修医が診察したものを救急医がチェックするダブルチェックとし, 救急車搬送時には, 研修医と救急医で来院時から迅速に対応する. 医師の勤務体制の変革こそが, 救急医療を充実させるための重要な方法と考える. 今回, 研修医, 救急医を夜間勤務とし翌日休みにしたこと, 各科より救急医を供出しダブルチェック体制にしたことは, これらを解決するひとつの方法であると思われる.
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