日本医療マネジメント学会雑誌
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糖尿病教育入院クリティカルパス電子化の評価
小堀 祥三市原 ゆかり児玉 章子高橋 毅東 輝一朗宮崎 久義
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2006 年 7 巻 2 号 p. 315-319

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抄録
オーダリングシステム導入に際して従来の紙ベースの糖尿病教育入院クリティカルパスを電子化し、在院日数を14日から10日に短縮した。同クリティカルパスにおける平均在院日数、予定在院日数達成率、退院基準達成率およびバリアンスについて検討した。また、オーダリングシステム導入後の各部門に対するオーダの伝達状況の評価を栄養食事指導率および薬剤管理指導率を指標として検討した。平均在院日数は12.03±3.41日、予定在院日数達成率は58.6%、退院基準達成率は100%を示した。バリアンスのほとんどが患者要因であった。栄養食事指導率は58.82±23.41%、薬剤管理指導率は70.69±36.64%を示した。
在院日数についてはクリティカルパス使用に馴染んでくると達成可能と考えられた。薬剤管理指導率についても従来の検討とほぼ変わりなかった。しかし、栄養食事指導率については、オーダの伝達の良否というより診療報酬改定の影響を強く受け低値を示したが、月ごとに上昇傾向にあり回復するものと考える。
電子化糖尿病教育入院クリティカルパスは多くの改良点を抱えているが、従来の紙ベースのクリティカルパスと同等の有用性を示した。
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