大学体育学
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原著論文
大学体育における野外教育活動の可能性の検討
―プロジェクトアドヴェンチャー・プログラムを導入したキャンプ活動におけるリーダーシップ及びフォロワーシップの養成―
清水 安夫尼崎 光洋煙山 千尋宮﨑 光次武田 一川井 明
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 7 巻 p. 25-39

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抄録

本研究の目的は,①リーダーシップを測定する尺度(Leadership Assessment Scale for Group Activities:以下,LASGA)及びフォロワーシップを測定する尺度(Followership Assessment Scale for Group Activities:以下,FASGA)の開発と,②プロジェクトアドヴェンチャー・プログラムを用いた野外教育活動が,リーダーシップ及びフォロワーシップを促進させる可能性の検討であった.

研究1では,大学生352名(男性162名,女性189名,未回答1名)を対象に,2008年7月に,個人的属性,LASGA,FASGAで構成された質問紙調査を行った.研究2では,プロジェクトアドヴェンチャー・プログラムに参加した57名(男性31名,女性26名)の群(以下,PAG)と比較検討を行うための79名(男性31名,女性48名)を統制群(CG)とに質問紙調査を行った.調査は,2008年9月に行い,PAGはプロジェクトアドヴェンチャー・プログラム参加の初日と最終日に実施し,CGは同時期に中4日を空けて実施した.

LASGA及びFASGAの因子構造を明らかにするために,探索的因子分析を行った.また,抽出された各因子の信頼性の分析,尺度全体の構成概念妥当性を検討するための検証的因子分析を行った.さらに,プロジェクトアドヴェンチャーの効果を検証するために,混合計画の二要因分散分析(群×時間)とBonferroni法による多重比較検定を行った.

因子分析の結果,LASGAは5因子(各4項目)の合計20項目,FASGAは4因子(各3項目)の合計12項目が抽出され,信頼性及び妥当性の各指標も許容範囲であることが示された.また,混合計画の二要因分散分析の結果,プログラム前後の比較において,LASGAの「Decisions」,「Persistent」,「Confidence」,「Norm」,「Responsibility」の各下位尺度に有意な増加が認められた.また,FASGAにおいても,「Third Personal Support」,「Circumstantial Judgment」,「Second Personal Support」,「Group Norm」に有意または有意傾向の増加が認められた.

本研究の結果,開発されたLASGA及びFASGAの両心理尺度は,一定の信頼性及び妥当性を兼ね備えていることから,大学生のリーダーシップ及びフォロワーシップを測定できるものとして有益である.我が国における先行研究においては,フォロワーシップを測定する尺度が見られないため,FASGAの開発は新規性があると考えられる.また,プロジェクトアドヴェンチャーを導入した野外教育活動の授業は,コミュニケーションやソーシャルサポートを得る機会を増加させることにより,大学生のリーダーシップ及びフォロワーシップを養成する上で有効であることが示された,

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© 2010 全国大学体育連合
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