抄録
【⽬的】視覚誘導性⾃⼰運動錯覚 (KiNvis)とは,⾃⼰の⾝体運動の映像を観察することで,錯覚が⽣じることである.KiNvis では運動イメージ時 (MI)と共通した脳領域が活動すると考えられているが,MI に及ぼす影響は明らかではない.そこで,KiNvis がMI に及ぼす影響を明らかにすることを⽬的とした.【⽅法】対象は健常⼈20 名の右⾜とし,無作為に2 群(KiNvis 群、観察群)に割付けた.本研究は倫理委員会の承認を得て,対象者に研究内容を説明し同意を得た上で実施した.KiNvis 群は右⾜関節背屈運動のKiNvis を5 分実施し,観察群には右⾜関節の静⽌画を5 分観察させた評価項⽬はMI 能⼒としてMental rotation (MR)反応時間を課題前後に測定した.KiNvis 群はVAS を⽤いて錯覚の程度を測定した.【結果】KiNvis 群のVAS は平均58.4 ±19.5mm であった.MR 反応時間の改善量は,観察群は平均0.04 ± 0.07 であったが,KiNvis 群では平均0.13 ± 0.08 であり,KiNvis 群におい
て有意に改善した.【考察】MI と運動錯覚は共通した神経基盤であることが報告されている.このことからKiNvis は視覚を⽤いてMI を想起しやすくしたために,KiNvis 群のMR 反応時間1が有意に改善したと考える.【結語】KiNvis の介⼊はMI に影響を与えることが⽰唆された.