2023 年 84 巻 4 号 p. 615-619
腸管アミロイドーシスは腸管粘膜の虚血・脆弱性をもたらす.腸管再建の際,吻合部の血流障害をきたし,縫合不全の高リスクといわれ,一期的吻合を避け人工肛門造設する例もある.症例は67歳の男性で,関節リウマチで20年間の治療歴がある.貧血を主訴に施行した下部消化管内視鏡検査で,S状結腸に20mm大の隆起性病変を認めた.同時に施行した結腸生検で,粘膜下層内の間質・動脈周囲にアミロイド沈着を認めた.Direct fast scarlet染色陽性であり,腸管アミロイドーシスと診断された.S状結腸腫瘍に対しEMRを施行したところ,垂直断端陽性で外科に紹介となり腹腔鏡下S状結腸切除術を施行した.術中,再建腸管の緊張をとるために脾彎曲部授動を行った.また,腸管再建時にindocyanine green蛍光法で吻合部血流が良好であることを確認し吻合した.術後は明らかな合併症なく経過し,術後10日目に自宅退院となった.