医療福祉政策研究
Online ISSN : 2433-6858
ウィキッド・プロブレムとしての新型コロナ感染症
政治と専門性の関係を中心に
杉谷 和哉
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 4 巻 1 号 p. 27-37

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抄録
 新型コロナ感染症のパンデミックに彩られた2020年は、政策研究にとっても大きな課題を突き付けた。新型コロナ感染症の問題の特徴を鑑みると、パンデミックがもたらした問題は、ステークホルダー間の対立が生じている、問題同士が関連している、対策にあたって必要とされる知識が不足している、不確実性が高い、といった特徴を備えていることが看取できる。これらの特徴を備えた問題は、政策研究で言うところの「ウィキッド・プロブレム」に該当すると考えられる。この着想を手掛かりに、本論文では、新型コロナ感染症のパンデミック及びそれによって生じる課題を、「ウィキッド・プロブレム」と捉え、先行研究を駆使して分析した。その結果、科学の在り方が変容しつつあることと、「不快さを引き受ける政治」が必要であるといったことが示唆された。
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© 2021 日本医療福祉政策学会
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