2016 年 62 巻 2 号 p. 52-56
56 歳、男性。1986 年に右腎に腫瘍性病変を指摘されたが、放置、増大したため、1992 年に福岡大学病院泌尿器科で右腎摘出術を施行し、病理検査にて clear cell carcinoma の診断を得た。インターフェロン α 療法を術後治療として施行し、1997 年まで再発の兆候は認めなかった。2005 年頃より咽頭の違和感を自覚、改善しないため、喉頭蓋腫瘍を指摘され福岡大学病院耳鼻咽喉科紹介となった。喉頭蓋の喉頭面にカリフラワー状の腫瘤を認めた。硬性直達鏡による喉頭腫瘍摘出術を行ったところ、病理診断は clear cell carcinoma であった。腎臓からの転移が疑われたため、泌尿器科で精査したところ、左腎の上・中部に不均一に造影される腫瘤性病変があった。両側肺に多発する腫瘤性病変と右肺門・縱隔にリンパ節の腫脹、左上腕の三角筋内に腫瘤性病変を認めた。左腎腫瘍に対し、transcatheter arterial embolization(TAE)、インターフェロン α・インターロイキン 2 で治療を施行し、腎病変は Complete Remission(CR)となった。その後、腎臓に局所再発し、 2012 年に亡くなった。その間、喉頭病変の再発は認めなかった。