高齢であるが、ほかに免疫機能低下を来す基礎疾患のない患者に発症し、診断と治療に難渋したアスペルギルスによる亜急性~慢性浸潤性副鼻腔真菌症の 2 例を経験した。浸潤性副鼻腔炎は、副鼻腔から眼窩内、海綿静脈洞、頭蓋内に進展すれば致死的となり、予後不良の疾患であるが可及的な病変の掻爬とその後の抗真菌薬の投与によって病勢のコントロールが可能となった。本邦において今後も高齢者の増加が見込まれ、慢性の経過をたどる浸潤性副鼻腔真菌症も増加するものと考えられる。鼻副鼻腔の炎症疾患の一つとして慢性浸潤性副鼻腔真菌症も念頭に置き、的確に診断と治療を進めていくことが必要である。