2021 年 67 巻 2 号 p. 105-111
劇症型溶血性連鎖球菌感染症(STSS)は主に A 群溶血性連鎖球菌を原因とした急速に全身状態が悪化する致死性の高い疾患である。今回、頭頸部領域から発症した STSS の 1 例を経験したので報告する。症例は 79 歳、男性。顔面腫脹、咽頭痛の主訴で来院し、来院後 2 時間で敗血症性ショックとなった。頸部の膿瘍形成に対し、緊急切開排膿ドレナージ術を行い、創部浸出液からの塗抹染色で連鎖形成するグラム陰性桿菌を認めたことと急激な臨床経過から本疾患を疑った。4 病日に創部浸出液の細菌培養から A 群溶血性連鎖球菌が検出され、確定診断に至った。早期より本疾患を疑い、適切な抗菌薬投与を開始し、呼吸循環管理や持続的血液透析ろ過などの集学的治療を行い、救命することができた。