2021 年 67 巻 5 号 p. 289-295
当科(熊本大学)での緊張部型真珠腫の術後成績を後方視的に検討すると、成功例は、伝音再建が不応であった例を除くと、Stage Ⅰが 75%、Stage Ⅱが 75%、Stage Ⅲが 50%、全体で 70.0%であり、他施設に遜色ない結果であった。段階手術 2 回目で、再形成再発は認めなかったが、遺残性再発は 8 例に認め、そのうち 6 例はアブミ骨周囲に認めた。一方観察期間(2 年から 2 年 11 カ月、平均 2 年 9 カ月)の間に、段階手術終了後の、遺残性再発および再形成再発はいずれも認めなかった。緊張部型真珠腫は早期にアブミ骨周囲の高度破壊を来すこと、またアブミ骨の病変の程度で S2 症例は、S1 症例に比べて統計学的に有意に遺残性再発を来す可能性が高く、初回手術における内視鏡を用いた十分な清掃、遺残再発の確認の必要性が確認された。