2021 年 67 巻 5 号 p. 296-300
中頭蓋より発生し中耳進展した髄膜腫の 1 例を経験した。髄膜腫はクモ膜細胞より発生する良性腫瘍でクモ膜顆粒の分布領域に沿って発生しやすいとされており、頭蓋外に発生する頻度は低く中耳腫瘍として経験することは少ない。本症例は、難聴を主訴に耳鼻咽喉科を受診したところ中耳腫瘍を指摘された。当院での画像所見および組織生検時の術中所見から、中頭蓋窩髄膜腫が上鼓室天蓋を介して中耳進展を来したと考えられた。中頭蓋窩法を併用した乳突洞削開を行い、中頭蓋窩腫瘍、中耳・乳突洞内の腫瘍を全摘し得た。