2021 年 67 巻 5 号 p. 301-306
脳表ヘモジデリン沈着症は鉄(ヘモジデリン)が脳表、脳実質に沈着することにより神経障害を来す疾患であり、原因としてくも膜下腔における慢性の出血や繰り返す出血が考えられている。臨床症状としては感音難聴、小脳失調、錐体路徴候、認知機能障害などの症状を来すことが知られており、症状は進行性かつ不可逆性である。治療法としてキレート薬、副腎皮質ステロイドの効果があるとする報告もあるが、現時点での治療法は明確ではない。今回われわれは MRI にて脳表ヘモジデリン沈着症と診断された感音難聴に対し副腎皮質ステロイド内服加療で改善を認めた 1 例を経験したので報告する。