耳鼻と臨床
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症例報告
治療方針決定に苦慮した動眼神経麻痺の 1 例
梅野 悠太西 憲祐西平 弥子山野 貴史
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2022 年 68 巻 3 号 p. 196-202

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抄録

症例は 71 歳、男性。複視、右眼瞼下垂が出現し、各種検査の結果、右末梢性動眼神経麻痺と診断した。患側のみの副鼻腔炎を有しており、全身麻酔下での内視鏡下鼻副鼻腔手術による上顎洞開放を検討した。しかし、術前評価で内頸動脈の完全閉塞を認めており内科と協議の上、局所麻酔下での上顎洞自然孔の穿破で減圧、排膿を促した後、感染コントロール、急性神経障害に対しステロイドを中心とした抗炎症治療を行った。併せて、血糖コントロール、および抗血小板薬による微小循環の改善を図ることで 1 カ月程度で開眼可能となり、徐々に複視改善を認め比較的良好な経過はたどった。

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© 2022 耳鼻と臨床会
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