2022 年 68 巻 3 号 p. 216-220
胃酸逆流が原因と考えられたまれな急性多発咽喉頭潰瘍症例を経験した。症例は 20 歳代後半の男性で、多量飲酒による頻回の嘔吐、意識障害を来した翌日から咽頭痛を自覚し、咽喉頭粘膜発赤および多発する白色病変が出現した。急性喉頭蓋炎として抗菌薬とステロイド薬を用いて加療を行い、自覚症状ならびに局所所見は改善し得たが、細菌感染を原因とした急性炎症の典型例と合致しない所見を認めていた。病歴・局所所見・退院後に判明した病理組織学的検査から、最終的に胃酸逆流による粘膜傷害が原因であったと診断した。急性に発症する多発咽喉頭潰瘍の原因の一つとして胃酸逆流も念頭に置いておく必要があると思われた。