本稿では、捜査機関が犯罪捜査を行う際に、第三者に関する情報を保有する企業や団体に対して情報提供を求めることに関して、どのような問題があるかを検討する。情報技術の発達により、膨大な量の情報が収集・保存されるようになった。こうした情報は、犯罪捜査にも役に立つ場合が多い。一方で、第三者が保有する情報は、本人が認識していない状態で捜査当局に提供されることも多い。そのため、プライバシーや個人情報保護上の問題が懸念される場面が増えている。本論文は、米国、EU、日本における、第三者が保有する個人情報への捜査によるアクセスに関する関連法規を比較し、わが国の制度検討への示唆を得ようとするものである。