抄録
近年の電子機器は,通信信号の高速化にともない放射エミッション試験で問題となることが多い。特に,複数のクロックが同期して動作していると,ノイズが重なることによって放射ノイズレベルがより増えてしまう。高調波周波数が重なった時,近傍界測定などの従来の手法では,放射ノイズ源となる配線を一つに特定できない問題があった。
本研究では,探査したいノイズ源の周波数と同一の共振周波数を持つノッチフィルタ回路を配線に設置し,スイッチ回路で設置前後の放射ノイズレベルを測定および比較することで,大きな放射ノイズを出す配線かどうか特定する手法を検討した。実験により,放射ノイズ源となる配線の特定が可能であることを確認した。