論文ID: JIEP-D-21-00025
高い制御性,省電力化の要請から,3相インバータ回路を用いたモータ駆動システムが一般化しつつある。特に,小型軽量化したインバータ内蔵モータ駆動システムの実現には,適切な熱設計が不可欠である。適切な熱設計を行うには,対象の伝熱構造を把握する必要がある。本稿では,伝熱構造を把握する手段として,伝熱経路の熱インピーダンス分布を抽出する手法を提案する。最初に,Cauer型熱回路網を用いた熱インピーダンス分布表現について述べる。次に,MOSFETを搭載した2種類のテスト基板を用いて,ジャンクション温度の非定常温度遷移を測定する。その後,測定結果から熱インピーダンス分布を抽出し,その結果について論じる。