2025 年 39 巻 4 号 p. 227-236
アジアには多様で優良な食文化が存在する.そのようななかにくらすアジア人に宿る腸内細菌叢には大変興味が持たれる.そこで我々は,Asian Microbiome Project(AMP)を2009年に設立し,アジア各国の腸内細菌叢を調査している.特に,児童の腸内細菌叢は,各国の食文化を強く反映しており,AMPにて多くのデータを収集している.その調査結果から,東アジアと東南アジアの子どもの腸内細菌叢は,それぞれBacteroides属とBifidobacterium属を多く有するBBタイプとPrevotella属(現Segatella属)を多く有するPタイプに分けられることが示された.しかし,近年の食のグローバリゼーションの影響下で,それらの特徴が失われつつあることも分かってきた.しかし,発展途上各国における腸内細菌叢の変遷パターンは一様ではなく,各国の食事情がそこに関与していると示唆される.