日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
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並列型複合作業場の処理時間に関する研究
古谷野 英一
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1975 年 26 巻 2 号 p. 164-168

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抄録
本研究は, 事務が事務作業場に入出力する時間間隔の平均値と分散から, 事務作業場内の事務員定数を査定するための一部である事務作業場の処理時間の平均値・分散の性質を考察することが目的である.本稿では並列型複合作業場を考察対象とし, 複数の事務員によって構成されるこの事務作業場の入口に入力事務を山積みして入力し, その出力間隔の平均値・分散をこの事務作業場の処理時間の平均値・分散と呼ぶこととし, これらの値が事務員数の増加に対して, いかなる影響を受けるかを考察した.本考察の結果から, 並列型複合作業場の処理時間の平均値は, 入力事務の事務の書類の構成比率を一定にして入力するとき, その入力事務件数が増加してもつねに一定の値を示し, かつその値は事務員数の逆数に比例して増減するとともに, その変動係数は入力事務件数の増加にかかわらず一定であり, また事務員数の増加にしたがってやや増大することがわかった.よって, 並列型複合作業場の処理時間の平均値は, 事務員定数査定のための指標として用いることができる.
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© 1975 公益社団法人 日本経営工学会
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