日本食生活学会誌
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医療従事者における保健機能食品の認知の実態
堀西 恵理子根本 蓉子丸山 智美
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2008 年 19 巻 1 号 p. 69-74

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抄録

  現在日本では栄養機能が表示されている食品の利用が増加している。保健機能食品は国の許可を得た食品である。臨床現場においても患者から医療従事者に対して保健機能食品への質問は多いと推測される。しかし, 医療従事者における保健機能食品の認識の現状については報告が少ない。そこで本研究は, 法的に根拠がある保健機能食品について, 医療従事者が持つ認識と情報の入手方法の現状を明らかにするために, 医療従事者59人を対象に自記入式調査票を用いて調査を行った。49人 (83.1%) は栄養機能食品と特定保健用食品という保健機能食品の名称と厚生労働省による分類を知っていた。25人 (59.3%) は患者からの質問経験を有していた。39人 (66.1%) は保健機能食品についての情報は十分に入手できないと回答した。特定保健用食品や栄養機能食品の情報は, インターネットや学会により入手したいと答えた者が多かった。以上の結果から, 現状では医療従事者は保健機能食品の知識および認識が不十分であること, 情報入手量, 方法ともに不足していることが示唆された。

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© 2008 日本食生活学会
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