日本食生活学会誌
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論文
若年女性の痩身志向が血液ヘモグロビン値を指標とした貧血に与える影響
重田 公子笹田 陽子鈴木 和春樫村 修生
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2008 年 19 巻 2 号 p. 155-162

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抄録

  本研究は, 若年女性の痩身志向と鉄欠乏性貧血との関連について, 女子短期大学生288名を対象に検討した。その結果, 以下のことが明らかになった。
1) BMIによる区分ではやせ74人 (25.7%), 正常174人 (60.4%), 肥満40人 (13.9%) であり, 痩身志向がある人は調査対象者の89.6%に達した。また, 鉄欠乏性貧血発症割合は, 貧血39人 (13.5%), 貧血傾向110人 (38.2%), 正常139人 (48.3%) であった。
2) 体重, 体脂肪率およびBMIは, 痩身志向がある正常群に比較して痩身志向がある貧血群で有意に低値を示した。
3) 栄養素等摂取量は, 正常群に比べて貧血群が有意に低値を示した。
4) 痩身志向がある貧血者は強い減量願望を持ち, 栄養素等摂取量は低値であり, 月経による鉄喪失も懸念されることが分かった。これに対し, 痩身志向がない貧血者は, 月経異常などの問題を抱えていることが明らかになった。しかも月経発来年齢が高いことから, 出生および幼少期から低体重であることが推察された。
  痩身と鉄欠乏性貧血に伴う種々の生理機能の変化を若年期に理解させ, 健康管理意識を高めることは, 健康の一次予防の観点から重要であることを改めて確認した。

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© 2008 日本食生活学会
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