抄録
今後ますますプログラミング教育が重要視されてくる中で,教員の負担増大や教員不足といった問題の解決は急務である.本研究では,文系の大学生を対象としたプログラミング講義で,学生からのエラーメッセージを収集し,ファジィグラフを用いてその特徴の分析を行った.分析結果から,学習者の指導に活用するための知見を得ることと教員の負担を減らすことが目的となる.分析では,各エラーメッセージの関係性をファジィグラフで可視化し,関係性の度合いによるクラスタの状態から学生の特徴を抽出した.英語の得意・不得意に関係なく,関数関連のエラーや入力エラーが多いクラスタなど,どのような学生のクラスタかを明らかにし,学生に対する指導方法の検討を行った.クラスタの特徴と変化から,『単純にミスが多く注意力不足の可能性が高いと考えられる学生には,注意を促し正確な入力を心がけるような指導を検討する必要がある』といった分析が可能になる.このようにファジィグラフによる分析を活用することで,効率的なプログラミング教育と教員の負担軽減が期待できる.