観光研究
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論文
持続可能な観光にむけた戦略的観光地マネジメントに関する基礎的研究
―鎌倉市を事例として―
古屋 秀樹 安本 達式近藤 千恵子
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 33 巻 2 号 p. 21-34

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抄録
本研究では、「持続可能な観光」の実現を背景として、戦略的観光地マネジメント(SDM: Strategic Destination Management)の概念を示した。次に、鎌倉市を分析対象地域と設定して、System Dynamicsモデルの構築を行った。分析の結果、実観光客数を増加させるためには観光プロモーションに相当するソフト的対策が、1人当たり消費額増加のためには、観光費、魅力度を重視する必要があること、短期的な経済効果増大に対して、満足度減少によるリピーターへの変容が減少することが考察できた。複数のシナリオを比較検討できることから、各関係主体のメリット、デメリットの把握とそれに基づく合意形成がSDMによって可能と考えられる。
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© 2022 一般社団法人 日本観光研究学会
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