抄録
未破裂内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤が動眼神経に窓形成を来した稀な1例を報告する.症例は71歳,女性.めまいの精査中に左内頚動脈後交通動脈分岐部動脈瘤を指摘され当科紹介された.術前に動眼神経麻痺の症状,所見はみられなかった.脳動脈瘤頚部クリッピング術を行ったところ,動脈瘤は動眼神経を貫通し動眼神経に窓形成を来していた.動脈瘤を動眼神経より剥離しクリッピングを行った.術後も動眼神経麻痺はみられなかった.術前に動脈瘤と動眼神経の関係を想起することは困難であったが,動脈瘤と動眼神経の剥離が必要な場合でも慎重に操作を行い動眼神経を温存すれば永続的な動眼神経麻痺を防ぐことができると考えられた.