抄録
本学(聖隷クリストファー大学)は,保健医療福祉・教育の総合大学として,医療・福祉の資格取得を目指す学生が日々,専門知識の習得に励んでいる。将来,医療や福祉に携わる上で,患者の命を守るだけでなく,自らの健康にも目を向け,健康行動を行っていく必要があると考え,2019年度に有志の学生と教員,聖隷予防検診センターが協働して聖隷婦人科啓発活動プロジェクトを発足した。発足当初は「子宮頸がん」に関する啓発活動を高校生から一般市民に向けて実施した。活動を進める中で,現在は検診対象年齢ではない乳がんに関しても,若年の今からブレスト・アウェアネスを意識した生活をすることも重要ではないかと考えた。地域の課題でもあるがんに関する若者の知識不足への対応,検診受診率向上のための方法など,がんに関する正しい知識や情報提供の仕方について,聖隷予防検診センター,教員,学生間で検討した。また,2020年からは浜松市とも連携し,産・官・学が協働して活動を広げてきた。自分達の知識を深めつつ,得た知識をピアエディケーション(ピア)の形でSNS やイベントなどで啓発活動を展開した。特に2022年度からは,乳がんに関する動画作成,乳がん検診受診促進のためのリーフレットの作成,など「乳がん」の啓発活動への挑戦を始めている。今回,これまでの子宮頸がんと乳がんに関する啓発活動の内容と,活動を通して私たち自身が感じたことや今後の目標などを発表した。