日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
原著
ソフトコピー診断におけるカテゴリー3石灰化細分類の ためのスコアリングシステム
小西 章子 藤井 直子中間 友美古川 博子山西 昌子寺井 明日香片山 若奈吉川 絵美沢井 ユカ藤田 倫子芝 英一
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2024 年 33 巻 1 号 p. 69-74

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抄録
超音波で異常を指摘できないカテゴリー(C) 3以上の石灰化病変を診断するために, マンモグラフィガイド下吸引式乳腺組織生検(MG-VAB) が施行されている。C3 の石灰化のすべてにMG-VAB を行うことは過剰検査であり現実的ではないが,一方で悪性病変が少ないながら含まれているのは確かであり,生検を要するかどうかの適応決定が重要である。特に近年のソフトコピー診断では,詳細な形態観察が可能であるが故に評価が難しい場合があるので,C3-1 とC3-2 の細分類を行うためのスコアリングシステムを作成した。 2015 年1 月~ 2020 年12 月,MG-VAB 施行1335 例中,拡大撮影も行ったC3 ①集簇性858 例,②区域性147 例を対象としてピクセル等倍表示で所見項目を評価した。J-RADS第4 版にて『数が多く密度が高いものはC3-2 とする』とあるが,良・悪性で個数と密度に有意差はなく,有意に悪性の割合が高かった項目は①密度の不均一性・大小不同・濃淡・背景濃度,②密度の不均一性・大小不同・角度であり,これらからスコアリングシステムを作成すると診断能は良好であり,これを用いて細分類を行うとC3-1/C3-2 の悪性率は①11.6% /32.3%,② 6.5% /45.8%となり,MG 初学者でも評価しやすく,生検適応の一助となりうるシステム作成が可能となった。
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