本論文の目的は,企業が生活時空間で顧客と相互作用しながらどのようなプロセスで顧客の文脈価値を高めるのかについて検討することである。本論文は価値共創マーケティングからのアプローチを採用する。中国市場のEコマースの事業者を対象に生活時空間で実施する活動を考察する。価値共創マーケティングの「意志と能力」の視点で,能力の高いサービスの与え手が能力の高いまたは低い顧客とどのような相互作用をとおして文脈価値を高めようとしているのかについて検討する。そして,価値共創マーケティングの文脈マネジメント能力を導出する。