2024 年 27 巻 p. 25-36
本論文の目的は中国市場を対象に小売業がどのようにオンラインとオフラインの多様な接点を組み合わせて活動しているのか,その小売活動を顧客はどのように評価しているのかについて調査して新たな小売マーケティングの概念化,理論化に貢献することである。本論文はマーケティング研究の流れを汲む小売マーケティングからのアプローチの事例研究である。本論文は中国市場における永輝超市と盒馬鮮生を対象に顧客接点を活かした小売マーケティング戦略について考察する。中国市場ではオフラインから発展した永輝超市とオンラインから発展した盒馬鮮生がそれぞれ多様な顧客接点を活かした小売マーケティングの戦略を実施している。採用した二つの事例はリアルの店舗を見ると伝統的な小売マーケティングのスーパーマーケット業態に分類される。しかし,永輝超市と盒馬鮮生は全く違う考え方で小売戦略を組み立てていた。