日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
原著
介護支援専門員の精神的健康と関連要因の検討
田中 薫小林 淳子
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 10 巻 2 号 p. 33-42

詳細
抄録

Y県内の介護支援専門員を対象に質問紙調査を行い,精神的健康の実態を日本版GHQ精神健康調査票12項目版(以下GHQ-12)で測定し,関連要因を検討した.その結果,①GHQ-12で測定したGHQ得点は平均5.1点,精神的健康度が低い群の割合は72.9%であった,②重回帰分析の結果,精神的健康には,背景職種,同施設内の介護支援専門員の人数,松山らのストレス因子の「対応の不備」「上司・同僚との連携」「効率性」,職務上の戸惑いの因子の「利用者と家族とのかかわりのむずかしさ」,職務上の責任の程度,研修の効果,主観的健康感,ストレス対処特性の「積極的な問題解決」「あきらめ」「行動・感情の抑制」が関連した,③同施設内の介護支援専門員の人数が多いほど,また,対応,上司・同僚との連携,職務上の効率性がよく,研修が効果的と認識し,主観的健康感が高く,ストレスに積極的に対処するほど精神的健康度が高くなり,利用者と家族とのかかわりのむずかしさや責任を強く感じ,ストレスにあきらめや行動・感情を抑制して対処する特性があるほど低くなった.業務の効率化や研修内容の充実等により,介護支援専門員の精神的健康を良好な状態に保てることが示唆された.

著者関連情報
© 2007 一般社団法人日本在宅ケア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top