日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
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感染症を併発した人工呼吸器装着中の利用者に対する入院に代わる訪問看護の方法と効果−排痰ケアの効果と医療費の分析−
山崎 京子内田 陽子
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2003 年 6 巻 3 号 p. 75-82

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抄録

本研究はALSで人工呼吸器装着中呼吸器感染症を併発し,入院をすすめられたが拒否した利用者を対象に,訪問看護で専門.的ケアを実施し,その効果および医療費削減の有効性を明らかにするものである.方法は1事例の事例研究であり,排痰ケアを中心としたケアプランを作成し,患者の症状や検査データのアウトカムで評価した.医療費は入院した場合の在院日数と検査,薬剤から見積もり金額を算定した.訪問看護での医療費は実際の訪問看護療養費と実施した検査,薬剤の回数から算出した.結果,入院した場合の見積もりは最短で14日間であり,実際の訪問看護では7日間で症状は回復し検査データも正常化した.また,入院に比べ訪問看護では検査,治療処置が少なく,コスト的にも低額であった.

今後,入院による在院日数短縮化が進むなかで,訪問看護方法の専門性を高め,検証していく必要がある.

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© 2003 一般社団法人日本在宅ケア学会
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