2005 年 9 巻 1 号 p. 104-113
主観的介護負担について国内で報告された文献のレビューを行い,介護負担を測定する尺度の使用状況を整理し,今後の介護負担の調査研究における尺度選択の基礎資料とすることを目的とした.
医学中央雑誌Webにて「介護負担」「介護負担感」「介護ストレス」をキーワードに「最新過去5年」「原著」で検索し,尺度を使用しない文献を除いた94件のレビューを行った.その結果,1)1999年から2004年に介護負担を測定する尺度を開発した文献は3件であったこと,2)介護負担を測定し関連性を調査した文献は91件であったこと,3)国内で使われていた介護負担を測定する尺度は16種類あり,「Zarit介護負担スケール日本語版」が最も使われていたことが明らかとなった.
これらから,尺度の使用に際して適切な選択と評価の必要性が再認識された,今後,介護負担を測定する尺度は,介入研究において頻繁に使用されると示唆された.