日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
訪問看護師が認識する病院から在宅への移行期におけるケア情報とその活用時期に関する研究:脳血管疾患高齢者に焦点を当てて
大木 正隆島内 節友安 直子森田 久美子
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2005 年 9 巻 1 号 p. 94-103

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抄録

本研究の目的は,訪問看護師が脳血管疾患高齢者の在宅移行期に必要とする退院サマリーおよび退院前訪問のケア情報とその優先度を明らかにし,さらにケア情報の伝達方法,活用時期を検討することである.対象者は都内の42か所の訪問看護ステーションの訪問看護師103人とした.その結果,①脳血管疾患高齢者に適した情報伝達方法は退院サマリーであると推測された.また退院サマリーを効果的に使用するためには退院日以前の情報伝達が不可欠であることが示唆された.②退院サマリーに必要なケア情報は32項目7因子が抽出され,「家族に関する情報」「ケア・医療機器の指導に関する情報」「環境整備に関する情報」「リハビリに関する情報」「患者・家族の在宅におけるケアの受け止め方に関する情報」「薬剤に関する情報」「医療処置・医療備品に関する情報」であった.③退院サマリーと退院前訪問に必要なケア情報23項目の優先度上位4項目は因子名において医療(備品・処置・機器)に関する情報であった.

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© 2005 一般社団法人日本在宅ケア学会
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