日本助産学会誌
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継続受け持ち事例の女性にとって「支え」となった学生の関わりについて
荒木 美幸中尾 優子大石 和代
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2010 年 24 巻 1 号 p. 65-73

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抄録
目 的
 継続受け持ち事例の女性にとって学生のどのような関わり(ケア,アドバイス,声かけ,姿勢,態度)が「支え」となったのかを知り,助産師教育の中の継続受け持ち実習の意義を再確認することである。
対象と方法
 A大学学生の継続受け持ち事例13名,方法は半構成的面接調査方法を用いた。
結 果
 学生よる「支え」となった関わりの内容は全部で87抽出され,内容別に(1)共感し受けとめる(2)常にいる(3)一生懸命対応する(4)不安や悲しい時のタッチングの4つのカテゴリーに分類された。また,(1)共感し受けとめるは,「共感し受けとめる」「一緒に考える」の2つのサブカテゴリー,(2)常にいるは,「一緒にいる」「気にかける」「声かけ,励まし」の3つのサブカテゴリー,(3)一生懸命対応するは,「誠実でやさしい対応」「努力してくれる」「迅速な対応」の3つサブカテゴリー,(4)不安や悲しい時のタッチングは「手を握る」,「肩をたたく,肩をにぎる」の2つのサブカテゴリーに分類された。
結 論
 学生は継続受け持ち実習の中で助産師として必要な「そばにいて寄り添う」ケアを行っていた。また学生は事例のニーズにこたえようと「知識とスキル」を提供しようと努力する「姿勢,態度」を学んでいた。よって助産師教育の中で継続受け持ち実習を行う意義はとても大きいと考えられる。
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© 2010 日本助産学会
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