日本助産学会誌
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原著
妊婦の冷え症と前期破水における因果効果の推定
—傾向スコアによる交絡因子の調整—
中村 幸代堀内 成子桃井 雅子
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2012 年 26 巻 2 号 p. 190-200

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抄録

目 的
 日本人女性を対象に,妊娠時に冷え症であることでの,前期破水発生率について,冷え症でない妊婦と比較分析し,冷え症が前期破水の誘因であるかについて,因果効果の推定を行うことである。
対象と方法
 研究デザインは後向きコホート研究である。データ収集期間は,2009年10月19日から2010年10月8日までの約12カ月である。調査場所は,首都圏の産科と小児科を要する総合病院6箇所である。研究の対象は入院中の産後の女性2810名であり,質問紙調査と医療記録からの情報を抽出した。また,分析方法には,傾向スコア(propensity score)を用いて交絡因子のコントロールを行い,その影響を調整した。
結 果
 前期破水であった662名(23.6%)のうち,冷え症がある女性の割合は348名(52.6%)であり,冷え症でない女性の割合は314名(47.4%)であった。冷え症でない妊婦に比べ,冷え症である妊婦の前期破水発生率の割合は,1.67倍(共分散分析)もしくは1.69倍(層別解析)であった(p<.001)。
結 論
 冷え症と前期破水の間の因果効果の推定において,因果効果がある可能性が高いことが示唆された。

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© 2012 日本助産学会
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