目 的
移行期にある早産児の安定に効果的なswaddlingを明らかにする。
対象と方法
対象は,NICU/GCUに入院している移行期の早産児のうち,保護者の同意が得られた12名とした。データ収集は,生理学的指標(心拍数・呼吸数・酸素飽和度)と行動学的指標(眉をひそめる行動)を用いて,安静時と看護ケア後20分までのデータを収集し,安静時と「0~5分未満」「5~10分未満」「10~15分未満」「15~20分未満」で評価した。分析は,反復測定分散分析を使用して,早産児へのswaddling実施の安定への効果を明らかにした。その後,Mann-WhitneyのU検定を行い,定義上のswaddlingへの適合の有無と方法の違いによる差の比較を行った。
結 果
看護ケア実施後に,swaddlingが実施されたのは48場面で,swaddling実施時の安定への効果では,心拍数が有意に安静時に近づいていた(p<0.001)。Swaddlingの適合の有無による安定の比較においては,有意差が認められなかった。しかし,swaddlingの方法の比較においては,ケア後0~5分未満(p=0.040),ケア後10~15分未満(p=0.024)で,「上肢制限無し群」よりも,「上肢制限有り群」の方が,有意に「眉をひそめる行動」が多くなっていた。
結 論
移行期にある早産児へのswaddlingは,心拍数が有意に安静時に近づくことが認められた。また,swaddlingの方法では,上肢を制限しないswaddlingが児の安定に効果的である可能性が示唆された。