2002 年 16 巻 1 号 p. 5-14
職場において自己啓発のもとに十分に能力を発揮しえたと思われる助産師のキャリア開発過程における能力開発の内容や方法・時期を明らかにする目的で, 本研究を行った。
その結果, 助産師の能力開発の内容や方法・時期として, 以下の10項目が抽出された。
(1) 実務の基本を習得することにより得た仕事に対する自信
(2) 成長のきっかけとなる良い先輩・上司との出会い
(3) 責任者や担当者などの権限の委譲
(4) 院内外研修によるそれまでの学びの保証
(5) 業務の改善や仕事の追求
(6) 院外ネットワーキング活動
(7) 教育・指導的な役割の習得
(8) 活動の場を変えたことによって知った新たな業務の意味
(9) ライフイベントのクリア
(10) 管理者としての役割への適応
このことから助産師の能力開発を促すために, 個々の助産師のキャリア・ニーズをもとに管理者や組織が課題や機会を提供することの必要性が示唆された。