日本助産学会誌
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16 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
  • 毛利 多恵子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • 能力開発に焦点を当てて
    木村 千里, 松岡 恵, 平澤 美恵子, 熊澤 美奈好, 佐々木 和子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 5-14
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    職場において自己啓発のもとに十分に能力を発揮しえたと思われる助産師のキャリア開発過程における能力開発の内容や方法・時期を明らかにする目的で, 本研究を行った。
    その結果, 助産師の能力開発の内容や方法・時期として, 以下の10項目が抽出された。
    (1) 実務の基本を習得することにより得た仕事に対する自信
    (2) 成長のきっかけとなる良い先輩・上司との出会い
    (3) 責任者や担当者などの権限の委譲
    (4) 院内外研修によるそれまでの学びの保証
    (5) 業務の改善や仕事の追求
    (6) 院外ネットワーキング活動
    (7) 教育・指導的な役割の習得
    (8) 活動の場を変えたことによって知った新たな業務の意味
    (9) ライフイベントのクリア
    (10) 管理者としての役割への適応
    このことから助産師の能力開発を促すために, 個々の助産師のキャリア・ニーズをもとに管理者や組織が課題や機会を提供することの必要性が示唆された。
  • 浅見 万里子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 15-23
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 出産を経験した女性たちが, 施設での出産に関するサービスをどのように評価しているかを明らかにし, 施設経営にとって有効な施策を得ることを目的とした。サービスマーケティングの手法を用い, 出産を経験した女性たちにサービス品質の測定用具「SERVQUAL」を参考にした研究者作成による自己質問紙調査を実施し, 354名の回答を得た。結果は以下のとおりである。
    1.出産に関するサービスは, 妊娠期は3因子「personaltrust因子」「cost因子」「option因子」, 出産期は4因子「personaltrust因子」「cost因子」「continuity of care因子」「safety因子」, 育児期は4因子「personaltrust因子」「hospitality因子」「cost因子」「safety因子」に分類された。
    2.それぞれの時期の満足度と抽出された因子は「出産期continuity of care因子」を除いて有意な関連が認められた。
    3.全体の満足度に影響する因子は,「出産期personaltrust因子」「出産期cost因子」,「育児期personaltrust因子」「育児期hospitality因子」「育児期safety因子」であった。
    4.出産に関するサービスにおいて,「満足度」と「他者への紹介」「再利用意向」には有意な相関関係が認められた。
  • 森 明子, 有森 直子, 村本 淳子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 24-34
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    本研究は, 不妊治療にかかわる看護者のストレスと対処の実態を明らかにすることを目的とした。不妊治療実施施設で不妊患者の看護にかかわっている看護者を対象とした。963名の看護者から有効回答を得た不妊看護に関する自記式質問紙24項目中, 2項目の記述データの内容分析を行った。ストレスに関する記述をした者は409名, 対処に関する記述をした者はそのうちの365名であった。うち, ストレス状況に対処していない・対処できないとした者は51名であった。看護者のストレスは5カテゴリ・19サブカテゴリに分類され, 中でも「不妊治療の提供システムと関連するストレス」の頻度が最も高かった。看護者のストレスの多くは生殖医療の診療システム上の問題, 不妊看護の分野の未成熟さ, そして生殖医療の倫理的問題などと関連していた。看護者の対処は6カテゴリ・28サブカテゴリに分類され, 中でも「不妊看護の性質と関連する対処」の頻度が最も高かった。看護者の対処の多くは看護活動・行為そのもので行われていた。
  • 宮崎 文子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 35-47
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 助産院経営の3要素 (人・物・金) の中で, 主に金 (財務面) に焦点を合わせて, 助産院経営の実態分析からその特性を明らかにし, 具体的な経営の方向性を探る基礎資料を得ることにある。
    調査対象は, 助産院を年間取扱分娩件数 (以下, 分娩件数) 別に無作為に抽出した6事例である。調査内容は, 財務関連内容14項目の聞き取り調査および過去の助産院の財務データを基にしたものである。分析方法としては損益分岐点分析の手法を用いた。調査期間は, 平成12年10月から12月である。
    1。事例全体の費用の内訳をみると, 変動費比率が低く, 固定費の占める割合が高い。固定費では人件費の比率が高く, 次いでリース料, 賃借料, 減価償却費の順となっている。
    2.収支内容については, 分娩件数が50件では院長報酬を500万円前後に抑えれば, 黒字を確保できるという結果を得た。
    3.必要売上高と分娩件数・ベッド稼働率の関係では, 分娩件数が50件を超え60件前後では, ベッド数が3床のとき, 赤字にならないためのベッド稼働率が30-35%以上必要であり, 分娩件数90件近くになると, ベッド数4床のときベッド稼働率は37%, 5床のときは30%必要となる。さらに分娩件数130件では, ベッド数6床のときベッド稼動率は37%であることが示唆された。
    以上より, 現在の助産院経営は, 売上高が順調に伸びていっているのではなく, 経営規模が小さいため生業的な性格が強く, 大きな経営問題を抱えるのは健全経営にとっての阻害要因となることが明らかとなった。助産院経営に当たっては, 通常の事業経営と同様の視点に立ち, あらかじめ経営計画を策定し, 収益性の確保を見込んだ上で実行すべきである。
  • 松永 佳子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 48-57
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    分娩をした母親の90%が母乳哺育を希望しており, 助産師は母乳哺育確立, 継続のためのケアを提供している。しかし, その最終段階である断乳に関する研究は十分行われていない。したがって, 母親がどのような思いで断乳に臨んでいるのかを明らかにする必要があると考えた。
    本研究では, 都内総合病院の母乳相談室に断乳ケアを受けるために来院した母親8名に, 6名の助産師が提供した断乳ケアを延べ22回の参与観察をし, それらの記述をテーマ単位で356単位に区分して内容分析を行った。
    内容分析の結果,「断乳への戸惑い」,「戸惑っていたことに折り合いをつける」, 「女性であることの再認識」という3つのカテゴリーが得られた。
    断乳ケアを受ける母親の思いは時間とともに変化し, その変化は, 母親が断乳をしたことを受け入れていく過程であった。断乳は母親にとっても, 子どもにとっても節目であり, 母子がきちんと向かい合っていくことの必要性がある時期であった。
    母親はさまざまなゆらぎを感じながら断乳を受け入れていた。その過程は子どもとの新たな関係を築いていく過程でもあった。
  • それは研究的思考から始まる
    堀内 成子
    2002 年 16 巻 1 号 p. 58-66
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • A talk for the Japanese Midwives' Association, March 2002
    Davis-Floyd Robbie
    2002 年 16 巻 1 号 p. 67-89
    発行日: 2002/08/10
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    In this talk I will describe three paradigms of health care that heavily influence contemporary childbirth, most particularly in industrialized nations, but now increasingly all over the globe.‹SUP›1‹/SUP› I call these three paradigms the technocratic, humanistic, ‹I›and holistic models of medicine‹/I›. I will also speak about the importance of preserving midwifery around the world and most especially in Japan.
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