植物研究雑誌
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クサタチバナ(キョウチク トウ科)の新組合せとネオタイプ選定
大井・東馬 哲雄 望月 昂
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2023 年 98 巻 6 号 p. 324-327

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抄録

クサタチバナの学名は,1844年にDecaisneによって発表されたVincetoxicum acuminatum Decne.が最近でも使われているが,後続同名であるために使えない.一方,その置換名であるCynanchum acuminatifolium Hemsl.が使われることもあるが,分子系統解析の結果を踏まえると,属はVincetoxicum とされるべきであり,V. ascyrifolium Franch. & Sav. が使われる.しかし,V. ascyrifolium の ホロタイプは,形態的にはクサタチバナではないことが指摘されている.そこで,V. acuminatifolium (Hemsl.) Ohi-Toma & K.Mochizuki をクサタチバナの新組合せとすることを提案する.タイプについては,シーボルトが採取した標本がパリ自然史博物館(P)にあるとされてきたが,確認することができない.そこで,オランダのナチュラリス生物多様性センター(L)にあるシーボルト標本(L 0420309) をV. acuminatum Decne. のネオタイプとして選定する.

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© 2023 植物研究雑誌編集委員会
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