2024 年 99 巻 2 号 p. 122-130
オオバウマノスズクサやアリマウマノスズクサの開花個体が稀である近畿地方西部から瀬戸内地方東部において,新たに3府県5箇所で自生する開花個体を確認したほか,4府県8箇所から実生を移植栽培して花を確認することで,両種の分布域を特定した.オオバウマノスズクサは大阪府東・南部から淡路島,小豆島を経て,兵庫県西部(西播磨地域)から岡山県南東部に分布し,アリマウマノスズクサは兵庫県六甲山地とその周辺地域に分布していた.これら開花個体に実生個体も含めた22個体の葉緑体DNAを解析したところ,2つの系統群が確認され,その分布境界はオオバウマノスズクサとアリマウマノスズクサの分布境界よりも西側に位置することが明らかになった.