2025 年 9 巻 3 号 p. 358-363
立ち上がりテストは,筋力とバランスを含めた総合的な評価法であり,サルコペニアの診断にも活用されている。代表的な方法には,5回椅子立ち上がりテスト(以下5-TSTと略す),30秒椅子立ち上がりテスト(以下CS-30と略す),および所要時間や回数,床反力・加速度などを測定する1回立ち上がりテストがある。5-TSTは簡便で対象者への負担が少ないことから広く用いられ,CS-30は筋持久力も含めた優れた評価法とされる。1回立ち上がりテストは,センサーを用いて運動学的に時間的・空間的・力学的解析を行う手法である。近年のサルコペニア診断コンセンサスでは,低握力と低骨格筋量が重視されており,診断法としての立ち上がりテストの意義は縮小傾向にある。一方で,センサーや機械学習を応用したサルコペニア発症や機能障害予測の開発は,今後さらなる発展が期待される。