日本外傷学会雑誌
Online ISSN : 2188-0190
Print ISSN : 1340-6264
ISSN-L : 1340-6264
臨床検討
家電量販店で入手できる機器を用いて構築したヘッドマウントディスプレイを用いたVR外傷シミュレーショントレーニング
松永 裕樹川上 歩宝田 秀憲永井 航小森谷 健太大倉 淑寛杉山 和宏
著者情報
ジャーナル フリー

2024 年 38 巻 4 号 p. 521-525

詳細
抄録

 背景 : 情報技術は進化しvirtual realityの分野は格段の進歩を遂げている. カメラ, ビューワーや編集ソフトは高価な専門機器が多かったが, 家電量販店で販売されるもので十分実用できるようになった. Head-mounted display (以下HMD) の圧倒的な没入感は既存動画と別次元で, その場にいると錯覚してしまう. 一度動画を作成すれば, 時, 場所, 人を選ばずに高度な緊急手技の追体験も可能となる.

 目的 : 家電量販店で容易に入手できる機器で, HMD上に投影可能な外傷動画シミュレーターを作成し効果を検証する.

 対象・方法 : 当科医師10名に, 作成したHMDシミュレーターの体験後にアンケート調査を実施した.

 結果 : 体験者はいずれも効果的と答え, HMDの目新しさから興味深く体験できた, リアリティがあり能動的であるなど好印象であった.

 結論 : 容易に入手できるもので構築したHMDシミュレーターは有用であった. 特に救急では重症, 稀な症例, 感染症, 被曝などの点でメリットが享受される可能性がある.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人 日本外傷学会
前の記事 次の記事
feedback
Top